災害時、落ち着いて行動できることが危険の回避に大きく役立つと言われています。人間でも、間違いなく動揺すると自信を持って言えますが、人間の動揺を五感で感じ取ることができる犬もまた、パニックになることは簡単に想像できます。
この時、どれだけ素早く犬たちを落ち着かせることができるかが避難行動、ひいては命を守る第1のカギになると思っています。また、避難するということは、いつものように整っていない環境で過ごすということを意味していて、不自由さの中でも、ストレスを受けすぎずにいられることが、命を守る第2のカギになります。
トレーニングの中で、いつもルカさんが言っていることがあります。
ルカさんやっぱり、普段からやってないことを、災害の時に急にやれって言われても無理ですよね~。そりゃパニックになりますよ。
ストレスが強すぎて、飼い主もそばにいないとなると、どうにもならなくて生き延びれない子もいるんです。
さらっとすごい言ってますけど、本当にそのとおりで。命が守れないこともあると聞いてショックを受けましたが、たくさんのお別れも経験してきているルカさんの言葉には重みがあります。moffy家がルカさんと続けてきたトレーニングは、最高の防災対策でもあったんだと改めて実感しています。この記事では、防災の目的も兼ねた普段のトレーニングを挙げてみようと思います。
リード・首輪慣れ
moffy家では、4頭全員がフリーの時はショートリードをぶら下げています。ひょいひょい逃げ回らないよう捕まえられるという利点があり、長さは関係なくリードがついていることで、完全にフリーではないという意識を犬に持たせる意味があると言われているようです。
なので首輪も常につけています。いわゆるトレーニング用で、リードを通じて指示がよく伝わると言われるハーフチョークタイプになります。ゼフィは猫用ではなく、小型犬用の普通の首輪をつけています。










首輪もリードも、常につけていることで、災害時に必要になっても、特別なことではないと感じられることがメリットです。
日常生活でも、興奮状態をリセットする役割を果たしたりしています。
クレート慣れ
クレートは日常的に使用しています。夜は全員クレートで寝ますし、日中もフリーにしている時間以外はクレートで過ごしています。移動時も車の中ではクレート。「ハウス」の号令でクレートに入るところまでできているので、すっかり生活の一部です。
「自由を制限されて可哀相」と思いがちなのですが、結構落ち着ける居場所になっているという話もあります。時間の過ごし方にメリハリをつけるという意味でも、自由に動き回れない状態の中、落ち着いて過ごす練習という意味でも、重要なトレーニングになっていると実感しています。



moffy自身もクレートに入れるとき「申し訳ない」思いに駆られることがいまだにありますから💧


同行避難で避難所に滞在する場合、ペットの居場所は、大きなケージの中でクレートで過ごす、という形になるのではないかと考えられます。だとすると、クレートでパニックにならないこと、静かに過ごせること、飼い主が来るまで待てること、などが必須になりそうですよね。
トイレ
トイレトレーニングは、決まった場所ですることが第一歩ですが、そこから更に進んで、「どこでも」「いつでも」できるようにを目指しています。ペットシーツを広げたらそこがトイレ。
余談ですけど、賃貸の退去時に、犬を飼っていたのに壁がきれいすぎると言われて憤慨したことがありました(キレイなら問題ないでしょう?と思うのですが、汚いところ隠してるんじゃないかと思われたのか、不可解でした)。「うちの子はちゃんとトイレでしますから!」と主張して、連れてきて実演してあげましょうか?と思ったくらいでしたw




「どこでも」人間が決めた場所で
ペットシーツをトイレと認識するようになると、それがいつも同じ場所でなくてもできるようになります。moffyが初めにその効果を実感したのは、家族旅行に出かけた宿泊先でペットシーツでトイレができた時でした。
家以外の場所で、ペットシーツでトイレができるようになると、旅先や、お出かけの途中など、公共のマナー的に困る場所でトイレをしてしまう心配がなくなるというメリットがあります。


一時的にでも、多くの人が生活する避難所でのペットのトイレ問題となると、普段の生活の中で起きるトイレ問題を更に濃縮した形になることが予想されます。ペットシーツで、飼い主が号令をかけた時にできるということが、ペット自身を守ることにもつながると感じています。
「いつでも」人間のタイミングで
実はもっとも「できそうに思えない」けど、できると最も威力を発揮するのが、「人間がしなさいと言ったときにできる」ことです。日々、「ワンツーワンツー」で出せるようにトレーニングに励んでいるだけに、長時間ドライブの最中にSAとかでペットシーツでできると、達成感がハンパないですw
「出ないときは出ないでしょ?」と思いがちですが、犬って散歩のときに一番よくわかりますが、出し方を調整していますよね。長時間ドライブやフライトの搭乗前など、出しておいてほしいときに号令でトイレができるようになります。


避難所でずっとクレートで過ごす可能性を考えると、トイレなども、避難所では飼い主が世話をしに行ってさせることになると予想されます。トイレコントロールができないと、クレートの中やクレートから出た時にしてしまって、衛生上も問題が出てくる可能性がありますよね。
ドライフード
これ、「フード」ではなくて「ドライフード」であることにポイントがあります。日頃の「完食トレーニング」は、ドライフードを四の五の言わず完食することを目指しています。


災害時には、ドライフード以外のフードを調達するのも、給餌するのも現実的ではないし、遊び食べをさせられる環境ではないから。ダノンはこの点で現在課題を抱えていて、ドライフードを完食することを目標に頑張って(moffyが)います。




水
これも、「ミネラルウォーター」ではなくて「水」です。moffyも初めはろ過した水をあげていたのですが、ルカさんに指摘されてしばらくしてから、水道水に変えました。やはりろ過した水やペットボトルの水はおいしいんだそうです…。ルカさんちにお泊り訓練をしたときに、水道水を飲まない子がいて、それでお家で普段飲んでいるものがわかったりするそうです。習慣ってすごい。


moffy家の4頭は味オンチなのか、ミネラルウォーターでも水道水でも変わらず飲みますが、水道水を飲まなくなってしまうと、災害時にペットボトルの水が尽きた場合、水分が取れなくなりますね。よかれと思って、きれいな水をあげているつもりでも、サバイバルには向かない習慣をつけてしまうと、かえって危険にさらすことになると、普段の選択を見直すきっかけになりました。
まとめ
防災を意識してトレーニングを見直してみると、普段「犬と暮らしやすくするため」にやってきたことが、そのまま災害時の命綱になっていることが身に染みて分かりました。
この記事で挙げたトレーニングは、普段の生活をスムーズに送れるようにするための基本的なものばかりです。ただこの積み重ねが、日常になり習慣になり、いざというときにもいつも通りの行動をするだけでいい、という安定感につながると思っています。
普段のトレーニングが最大の防災対策。ルカさんのトレーニングメニューがいかにプロとしての経験に基づいて考え抜かれたものであるかを知って、ここまでついてきて本当に良かったと思っています。このメニューについて、初心者飼い主の皆さんのお役に立てるよう、これからも発信していきますね!



