犬や猫を迎える前、モフィなりに準備はしていたつもりでした。
必要なグッズもそろえたし、犬種や猫種のことも調べた。
それでも、実際に暮らし始めてみると、調べたはずの準備も的外れ、調べたとおりにいかないことばかり。
この記事では、犬猫初心者だったモフィが、暮らしの中で直面した「想定と違ったこと」「あとから考え直したこと」を、テーマごとにまとめています。
どれも正解が一つしかない話ではありませんが、これから犬や猫を迎える方、迎えたばかりで戸惑っている方にとって、考えるきっかけになればうれしいです。
お金のこと…どこまでかけるのが正解?
やっぱり、犬や猫との暮らしで大きな影響があるのは、お金です。
暮らし始めは「お迎えハイ」みたいな精神状態で、目につくものをあれこれ買ってしまいがちですが、
フード代やトイレ用品、定期的な通院、可愛くてつい買ってしまうおもちゃや洋服など、1回あたりは大きな金額ではない出費が、静かに積み重なっていきます。
気づくと、あえて総額を出したくない状態になっていました。余るほどお金がある人でない限り、モフィと同じように、工夫しながら賢くお金の使いどころを考えたい飼い主さんがほとんどだと思います。
今では必要な出費は「この子たちとの生活費なんだ」と受け止め、工夫しながら、可愛いだけで着ない服を買わないなど、出費を調整できるようになりました。
そして、お金のことを工夫しようと考えるにつれ、動物病院との付き合い方も考えるようになりました。
動物病院…先生って選べるの?
犬や猫と暮らし始めてすぐ、動物病院との距離感が、人間の病院とは違うことに気づきました。
モフィの感覚では「何か不調があったら行けばいい」と思っていたのですが、
実際には、小さな体調の変化なのか、過剰に反応しているだけなのか、深刻な症状なのか、どう聞けばいいか分からないような相談ごとが、突然やってきます。
そのたびに、近くの獣医に行くべきか、少し遠いクリニックを選ぶべきかを考えて探すのは、
痛みや苦しさを言葉で伝えられない犬猫の気持ちを思うと、とても心細いものでした。
紆余曲折を経て、どのような症状が出てきたら病院に連れていくかの判断ができるようになり、わからない時には聞けるしつけの先生がいて、かかりつけの動物病院で、何でも話せる主治医の先生に、ちょっとしたことでも相談できる安心感を手に入れました。
病院との関係を構築するうえで、避けて通れないのが去勢や避妊の話でした。
愛犬・愛猫の去勢・避妊…それ本当に今?
犬の飼い主は狂犬病接種で年に一度は必ず動物病院に出かけることになるわけですが、生後2か月で子犬を迎え、動物病院に通い始めると、自動的に6か月ころになると去勢・避妊手術を受ける流れになりました。
繁殖するつもりがないのであれば、避妊することで予防できる病気があるとして推奨されるので、初心者飼い主としては「そうか、それなら」とあまり深く考えずに手術を受けさせるんですよね。でも、あとになって、
1回目のヒートが過ぎてからがいいとか、
2歳まで成長させてからの方がいいなどの情報を見ることが増え、
推奨されるままではなく、ネットの情報をうのみにするのでもなく、
確かな情報を集めて判断したかったなと思いました。そういう意味でも、信頼できる専門家の存在は大きいなと思っています。
病院に通う中で、「医療にいくらかかるのか」という現実も、少しずつ見えてきました。
ペット保険…賢く加入して、賢く使おう
犬や猫を迎える前に、迎えたい犬種や猫種のことは一生懸命調べても、保険のことまで考える人はあまり多くないのではないでしょうか。モフィも、まさにそうでした。サイベリアンの性質や必要な運動量のほうが、ずっと気になっていたのです。
実際には、ペットショップやブリーダーさんから迎える際に、保険への加入を条件にされていたり、勧められたりすることが多く、「入るのが自然な流れ」になっているのが現実だと思います。トイプードルのような小型犬で、しかも若いうちは、保険料も年間2〜3万円ほど。深く悩む余地もなく、そのまま加入してしまいました。
ただ、ペットの医療保険は、自動車保険のような「使わなかったから翌年安くなる」という仕組みがほとんどありません。年齢とともに保険料は上がり続け、シニアと呼ばれる年齢に入る頃には、若いころは年間3万円前後だったものが、10万円近くになることもあります。この事実を知ったとき、モフィはありとあらゆるペット保険の保険料と補償内容を調べまくりました。
保険会社によって補償の範囲は大きく異なりますし、病院に通う頻度も、その子その子で違います。下痢をしやすい子、異物を飲み込みやすい子など、かかりやすい症状によっても、保険が向いているかどうかは変わってきます。入るかどうか、入るならどのタイプか、どの会社を選ぶか。ネットの情報を鵜呑みにするのではなく、時間をかけて検討する価値があると、今では思っています。
シニア期に突入する前に、保険を続けるのか、貯金という形を選ぶのか、あるいは保険会社を見直すのか。少し先のこととしてでも、一度立ち止まって計画を立てておきたいテーマです。
こうして少しずつ「考えること」が増える一方で、毎日の暮らしは待ってくれません。
愛犬との散歩…歩調を合わせるられるようになるのはずっと後
散歩といえば、犬と飼い主が周りを見回しながらのんびり歩くもの。
そんなイメージを、モフィも当然のように持っていました。
ところが、我が家の一頭目の愛犬クロエとの散歩は、まったく違いました。
草むら、鳥、他の犬、すれ違う人、側溝、電柱。
ありとあらゆる「行きたい場所」に、何の秩序もなく突進していくクロエ。
モフィは、ひたすら走ってついていく毎日でした。
「リードをピンと張ってはいけない」と思い込んでいた初心者飼い主は、
クロエの行きたい方向についていくしかありません。
道の端から反対側へ、草むらをかき分け、
気づけば私有地の畑の中。
ヒーヒー言いながら、1時間半引っぱられ続ける散歩をしていました。
訓練士さんに出会ってから、
犬の社会化とは「人間に合わせて生活することを学ぶ」ことでもあると知りました。
そこからようやく、クロエに歩き方を教え、
一匹と一人で歩調を合わせて散歩を楽しめるようになったのです。
今でも、数年前のモフィと同じように引っぱられている飼い主さんを見ると、
なんだか微笑ましくなってしまいます。ただ、このころのモフィは、
「散歩がしやすくなって快適」くらいに思っていました。
愛犬のしつけ…可愛いだけでは守れない
しつけが必要だと本気で思ったのは、
困りごとが「可愛い」では済まなくなったときでした。
モフィもそうだったし、周りの犬友さんたちも同じなのですが、あのウルウルの瞳に魂を持っていかれていると、犬が吠えても、甘噛みしても、トイレを失敗しても、盗み食いをしても、全部が可愛く見えてしまうんですよね。
だから人間側ができることといえば、予防することくらいでした。吠えたらだっこ、甘噛みはおもちゃで気をそらす、トイレは家じゅうにペットシーツ、盗み食いはペットゲートで防ぐ。そんな対処を繰り返していました。
でも、ある日、どうしても「予防」では済まない出来事が起きました。
幹線道路沿いの横断歩道を渡っているとき、クロエのリードが外れてしまったのです。
自由になったことを感じ取ったのか、クロエはぴょこぴょこと横断歩道を引き返していきました。モフィは心の中で絶叫しながら追いかけます。クロエは国道沿いの中古車ディーラーさんの敷地に入り込み、車の下や後ろをすり抜けながら、「鬼さんこちら〜♪」と言わんばかりに逃げ回ります。
目の前では車がびゅんびゅん走っていて、そのころにはモフィも実際に「クロエ戻ってきてーーー!」と叫んでいました。
しかも、そんなときに限っておやつも切らしている。
クロエが交通事故に遭う光景が脳裏にちらついて、生きた心地がしませんでした。
何度も叫び、追いかけ、ようやく捕まえることができましたが、その瞬間、強く思ったのです。
最低限、呼び戻しだけは、絶対にできるようにならなければならない。
それができなければ、この子を守れないのだと。
この出来事が、モフィにとって「しつけ=言うことを聞かせること」ではなく、「一緒に安全に暮らすためのもの」だと気づくきっかけになりました。
犬猫多頭飼い…獣使いへの道
一頭目は初心者。二頭目は経験者。三頭目はベテラン。四頭目は獣使い?
──そんなふうに、思っていました。
つまり、一頭目の飼育に自信が持てるようになってから、二頭目以降を迎えることを考えるものだと。ところが気づけば、足元には犬が三頭と猫が一匹。しかも、犬猫の飼育に自信なんかありません。
よく多頭飼いをする際には「3歳ほど年齢を離すとよい」「性別は違う方がよい」などインターネットでは聞きますが、クロエとアリアは11か月差、ダノンとは2歳差です。どんだけ急いで迎えたのか…。いや、理由はちゃんとあるんですよ?
「先住犬との相性」はネットで調べながらも、最も悩んだことでした。
飼い始めは部屋を別々にする、常に先住犬を優先するなどのコツについての情報はありましたが、真逆のことを言う人もおり、一方で同じ対策をとっていても成功例、失敗例の両方があり、失敗すれば最悪の場合、どちらかが命を落とす咬傷事故が起きてもおかしくないという記事を読んで震撼としたことを覚えています。
でも、二頭目を諦めるほどのショックではなかったんですよね。こうして三頭目、挙句の果てには猫と増えていきました。とても気になっていた相性については、取り越し苦労だったのですが、頭数が増えることが犬に与えるストレスについては、当時のモフィに教えてあげたいことがたくさんあります。
正解があったわけでも、完璧だったわけでもありません。
それでも、毎日何がモフたちによいことなのか、考えながら暮らしています。
具体的にはまた別記事でお話ししますね。

